6月3日。あさ5時30分ころ日が覚める。ひわこさんは3時頃から起きていたようだ。
旅行の最初のウチは時差ボケでどうしても早く起きてしまうんですよね。タベたおれるようにして寝てしまったので、朝風呂に入る。朝のお庭に出る。ラベンダーが群生している脇を通りレセプションに行くと、朝食をもう食べられますよというので、テラス席についた。
カフェ・オ・レ。クロワッサン。バゲット。チョコレートマドレーヌ。アプリコツトのジャムにバター。絞りたてのグレープフルーツジュース。ああおいしい。ほかのお客さんは年配のご夫婦や赤ちゃん連れのカップルなど。
食後、ボーに行きたいのだけれど、どうすれば?と尋ねると、歩いて800メートルくらいだという。タクシーに乗るまでもないわけだ。
・・・・・というわけで、日焼け止めなどぬって、いざ、ボーの村へ!
むか〜し、アルルとサン・レミ・ド・プロヴァンスの間にそびえ立つ岩山の上に中世南フランス最強を誇った街がありました。領主のレ・ボー家は詩人ミストラルが鷲の一族と称したほどの武勇の名をとどろかせプロヴァンスの伯爵領やフランス王国などの列強と戦い一歩も引かなかった。ボー家の言い伝えではその祖先に東方三賢人の一人、バルタザールその人であると。その子孫がこの岩だらけの土地にやってきて、火のように熱い血と豊かに香るハーブを植えたと。この街は南フランスの文化の中心であったといいます。
でも、15世紀のアリックス・デ・ボーを最後にこの南フランスの名家の血筋は絶えました。
とことこ歩いて道路から坂をあがるとボーの村に入ります。村の道は狭くて車は通れません。お土産屋さんをひやかしながら城跡へ。ここは日本からの南仏ツアーに組み込まれている場所なのです。実は4年ほど前ツアーで来たことがあるのです私は。
城跡は7.5ユーロで日本語ガイド付き。まわるのに1時間半ほどはたっぷりかかります。いやあ、ここはむかしの栄光がしのばれないほど朽ち果てています。昔、騎士道が栄え吟遊詩人や王侯・貴婦人により宮廷文化が栄えた・・・とは・・・・!岩の魂です。
「夏草やつわものどもが夢のあと」好きなんですよ。こんな場所が。たしか、ダンテが「神曲」を書くときにここでインスピレーションを得た・・・て、どこかに書いてあったような気がします。城跡の城壁のような所に上れるのですがけっこう注意しないと落ちそうで危険です。・・・・でも、外人のおねえさんはハイヒールでさくさく登っていく。赤ん坊背負ったパパもひょいひょい登っていく。ひえ〜。私は目が点になった。
|