ウォン・カーウァイ監督の映画「グランド・マスター」を観てきました。
宗師（グランド・マスター）とは、尊敬され、模範とすべき師匠を指すそうです。
武術家で俳優であるブルース・リーのお師匠，詠春拳のグランド・マスター、イップ・マンのドラマ。
中国にはマーシャルアーツ。カンフーでいくつかの流派があるそうですが、詠春拳は南の方の流派なのだとか。
もうね。ウォン監督の映画ですから、映像が美しくてね。
断片的なイメージをつなぎ合わせたようなとこも好きですねー。
熱量が低く、筋肉が躍動しない汗も飛び散らない、代わりに美しい水滴と砕けたガラスや粉雪が舞う、スタイリッシュで耽美なカンフードラマ。
イップ・マン役のトニー・レオンは、薄くて軽いボルサリーノ帽に黒い支那服の出で立ち。粋でダンディーなイメージ。うっとり。
イップ・マンは中国で裕福な家柄の出で、阿吽の呼吸の妻と子供たちと何不自由ない生活を送り武術に邁進していましたが、40歳の時に日中戦争がおき家財を没収され
貧困にあえぎ、亡命というか出稼ぎするために妻子を故郷に残して、香港にきました。
そこで門外不出の詠春拳を教えるのでした。
その後、香港は植民地になったので身分証明書を発行したため、中国との行き来ができなくなりイップ・マンは故郷に帰れなくなりました。
1930?1950年代。このころの中国の様式美、好きなのです。
八卦掌の使い手、ゴン家の娘ルオメイ（チャン・ツィイー）と妓楼（娼館）での武術の果し合いはとても耽美で、そこから生じる二人のプラトニック・ラブ（愛や敬意）は素敵です。
襟の高い女性の美しい支那服
。
妓楼のあでやかに着飾った女性たちのなかで、化粧気のないルオメイは
凛として清楚な美しさ。
その、コントラストがいいですね。
素晴らしい！
ラストの方で少年が顔を輝かせながら稽古をしている。
この男の子は少年時代のブルース・リーのイメージなのでしょうか。
トニー・レオンは「楽園の瑕」や「HERO」で観て以来、気になっていた俳優さんですが。
やはり。好き。
「レッド・クリフ」の周瑜将軍効果が高いかも（＾＾
彼の演じる役柄、素敵ですね。
美しいものを堪能させていただきました。
「グランド・マスター」もう一度観たいです。
