私は今までに男性の麗人と思われる人に、3人、ナマ麗人に会いました。というか、見る機会がありました。
ただ「美しい」のではなく、麗人です。なんと表現したらよいかわかんないです。
その1は。
有名な「ラスト・エンペラー」という映画があります。ベルナルド・ベルトルッチ監督作品で、アカデミー賞を受賞しましたので、ご存知の方もいらっしゃると思います。
中国清朝最後の皇帝、愛新覚羅 溥儀の生涯を描いた映画です。
とても映像の美しい映画で紫禁城内でのドラマの部分は耽美ですらあったので(
西太后が亡くなるシーンとか)、好きな映画です。音楽もすばらしかった!
映画が公開された当時、新書館にグレープフルーツという雑誌がありまして、会社を退職して間もない頃だったのですが、お友達の編集さんに、「ラスト・エンペラー」のエッセイ描かない?と依頼されまして、彼女とプレスという形で試写会に出かけたのです。渋谷駅向かいの東宝だかスカラ座だったか。
プレス席は2階で、映画はとっても美しくて感慨深く、出演者がゲストでいらしてました。隣のほうの席に歌手の加藤登紀子さんがいらした。まあ豪華とか思って、映画終了後外に出ましたら、2階の踊り場がパーティー会場に変身していたのです。
え?っ?!と思っているうちに、「智美ちゃん、お料理食べようよ」と友人が言うので、わけわからないまま、お料理食べました。
プレスを招いてのサプライズのちょっとしたパーティーだったらしいです。
すると友人編集さんが、「智美ちゃん、ジョン・ローンのとこ行くよ」と言いなさる。
ジョン・ローンとは、主人公、愛新覚羅 溥儀を演じた俳優さんです。その頃の少し前に「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(マイケル・チミノ監督の映画だったかな)という、ちょっと話題になっていた映画でマフィアのボスを演じていたな・・・とか思い出したりしましたが、友人がどんどん彼のほうに行くのでわたしもわけわからないまま付いていきまして、ちゃっかりジョン氏にサインしてもらいました。(その日特別なパンフが配られました。それに。パンフは今でも大事に保存してありますよ)
ジョン氏は映画の中で社交界に二人の妻を連れて現れるシーンがあるのですが(マンチューコー・パーティー?)、そのときの衣装と同じく、漆黒のタキシード姿でした。(ぴかぴか)
タキシード着たハリウッドの俳優さんなんて、そうそうお目にかかれるものではありません。しかも至近距離40センチ。「今映画でみていた溥儀さまがここに?!映画の続きだあ!」
非常に優雅な物腰の方で、その時ですらもしかしたら溥儀を演じていらしたのかもしれませんが、「なんかこの人普通じゃないヨ!」すごく美しい男性で?今考えると、麗人とはあのような人のことを言うのかなと思いましたヨ。
とにかく全て突然のことだったので、ドキドキしながら「サインください・・・」という私ににこやか?に対応してくださったです。夢のようなひと時でした。
あとで彼は実は○○というお話しを人から聞きましたが、どうりで映画の中の××シーンが美しかったですよ。(何の話)
余談ですが、そのときに近くに甘粕大尉役の坂本龍一氏がいらした。私の中ではアノ頃好きだったYMOの教授、とか「戦場のメリークリスマス」のヨノイ大尉。・・で、今思うになぜ坂本氏のサインをもらわなかったんだ??!と、時々自分に突っ込むのでした。
25年前はなんとも思わなかったのですが、最近、自分の中で「甘粕大尉×溥儀さま」の構図が出来上がっております。最近の自分、どれだけ腐なのか。
失礼しました。