「ロシアとの国境にの近くにね、軽井沢みたいなところがあるらしいの。」
調べるとそこは「ラッペンラッタ(ラッペンランタかもしれない)」と言う。おおきな湖のほとりだ。私が持っていったガイドブックは「一日6000円の旅」というバックパッカーのための手引き書。投稿記事で構成されている。北欧はあまりメジャーじゃないらしく、情報が少なかった。今まで街中にいたので、こんどは自然の多いところにいくのは、よいかも。
6日目、列車に乗って一路ラッペンラッタへ。
フィンランドは北海道に似ている。
ずうっと森が続いていて、車窓から見る眺めは、東山魁夷(こんな字でしたっけ?)の絵のよう。私は列車の中で「グイン・サーガ」を読んでいた。すると同じコンパーメントにすわっていた、外人の女の子が「この本の字はどちらに向かって読むの?」と、聞いてきた。縦です、と答えると「オー」と言って、珍しそうに見ていた。彼女たちともおしゃべりをしました。英語を喋っていたのでアメリカ人かイギリス人だったのかも。ラッペンラッタでさようならして、列車を降りました。泊まるところはユースホステル。ラッペンラッタの情報はガイドブックに載っていたかどうかさだかではないので、たぶん観光案内所で聞いたのだと思います。移動につぐ移動でちょっと体の方も疲れてきていたので、ここではゆっくり休むつもりでちょっとした散歩くらいしかしませんでした。夕食はスーパーで買ってきたスパゲティーを茹でたものと、サラダ。自炊です。食事をしていると食堂の窓を外から中学生くらいの女の子がたたいています。「こっちにきて」と呼んでいるようです。フィンランド人の女の子二人です。とりあえず表にでたけれど、私フィンランド語なんてしゃべれません。なにかお話をしたいようだったのだけれど、結局会話はできませんでした。残念。
「ところでね」Mさんが言います。
「私、誰かと一緒にいると、人に頼ってしまうようなの」「だからここで分かれて行動しましょう」
「えっっ?!」
海外旅行の初心者を一人残してどこかいっちゃうの?Mさん!
「ストックホルムまでは一緒に行くわ。」ほっ。
私の方もラップランドにどうしても行きたかったし、「うん、わかった」
翌日、列車に乗るために駅に向かいました。やってきた列車に乗ろうとすると、駅員さんが「この列車はオール・リザーブの列車だ。予約をしていないと乗れない。」というのです。そんなあ!
あわてて窓口まで駆けていって、予約をしました。列車は私たちが戻るまで待っていてくれました。ヘルシンキに着いた私は本屋さんで、フィギュアを撮影して作った、「ムーミン」の絵本と、アストリッド・リンドグレーンの「はるかな国の兄弟」のフィンランド語版の本と、フィンランド語の辞書を買いました。この小説が大好きで日本語では読んだのですが、フィンランド語でも読めたらと思って。(結局読んでません)またシリヤラインに乗ってストックホルムへ。日本航空のストックホルム支店へ行って、帰りのフライトのリコンファームをしました。帰りの飛行機に乗る場合、搭乗72時間前までに、予約確認をしなければなりません。これを怠ると予約を取り消されてしまう場合があります。ここでMさんとお別れです。
「ごめんね。がんばってね」と旅行8日間目にして、わたしは捨てられました(笑)。
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