私が始めて海外旅行に出かけたのは、23歳の時。
当時、私はとても「北国」に憧れていて、アラスカに行こうかシベリア鉄道に乗ろうか、どちらにしようか考えあぐねておりました。ちょうどその頃に読んだ本に、「フィンランド語は猫の言葉」「極北の青い闇から(ラップ人と暮らした記録)」があり、急にラップ人に会いたくなって、行く先を北欧に決めることにしました。
同行者はMさん。私より10さい年上の女性で、20歳のころ通っていた、洋裁学校の夜間部で知り合った人。彼女にフリーで海外旅行に行った話など聞いたものだから、まぁ、自分でも簡単に行けるつもりになったんでしょうね、わたし。
・・・で、OLをしていたので、会社の上司に休暇届を出しに行きました。「何日行くの?」「18日です。」「えっっ?そんなに?」と、まあびっくりされましたが、許可してくれました。今考えるとよくまあクビにならなかったな。部長さん感謝!!
8月の北欧。良い季節です。
Mさんは4ヶ月ヨーロッパを旅行する、ということで、さきに出発し、デンマークのコペンハーゲンで落ち合うことになりました。
初めての海外旅行。誰も案内してくれる人がいない、自由旅行。やっぱりドキドキしました。朝起きて箱崎のリムジンバスのターミナルで出国審査を済ませ、成田空港へ。選んだ航空会社は、JAL。成田ーコペンハーゲン間の航空運賃代が34万円。ピーク料金とはいえメジャー・キャリアの飛行機運賃は高かったんですねぇ。あの頃。
ユーレイル・パス(ヨーロッパの国鉄のフリー・パス)の運賃代はよく覚えていないのですが、7万円くらいしたと思うので、やっぱり当時の海外旅行は費用がかかったのだなぁ、と思います。
わたしの座った座席は、窓際。やっぱり外の景色を楽しみたい。隣の席は若いビジネスマンの男性。彼はお仕事でコペンハーゲンに行くとのこと。「私は休暇で。」と答えると、いいなぁ、とうらやましがられました。
コペンハーゲンの空港にMさんが迎えに来てくれました。私は一泊だけホテルをとっていたので、翌日、国鉄のコペンハーゲン駅でまた待ち合わせることになりました。
次の日、ホテル前の停留所からバスに乗りました。バスの運転手さんが女性だったので、びっくりしました。だって女性の運転手さんなんて、初めて見たのですから。
バスが終点に止まり、どこかの広場に降り立ったのはいいけれど、そこがどこだかわからない。きょろきょろしていると、バスで一緒だったカップルが、「どこへ行くの?」と、声をかけてきました。
「駅にいきたいの」というと、「こっちよ」と案内してくれました。しかも女性のほうは手までつないでくれる。駅に着くと荷物をコインロッカーに預け、Mさんを待っていたら、ふらふらしながら彼女がやってきました。
「具合が悪いの、悪いけど一人で観光してくれる?」
先に2ヶ月スペインの方を旅してきた彼女は、疲労から体調を崩したらしい。ユースホステルに私の予約を入れておいてくれる、ということで、彼女と別れ、一人町中にくりだしました。 |